7月に上演する作品のなかで流れる音楽は、私たちが作ったオリジナルの楽曲の生演奏と、もうひとつ。大鳥で私たちが採集した自然の音。
大鳥に滞在する中、水の音や風の音、あられや雪を踏む音から、薪ストーブの炎の音まで。
寝てもさめても音、音、音。
でも、音を採集する中で気づいた。私たちのまわりにあふれる、こんなにも豊かな音たち。
水の音だって、水滴の音、水路の音、コーヒーを入れるやわらかいお湯の音。
コポコポ、ぴちゃぴちゃ、ちゃぽんちゃぽん。
水がまるで会話をしているようで、
マイクを持って外を歩けば、1メートルおきに立ち止まってはいそいそと録音した。
今、シーンに合わせてその音たちを編集する中で、あらためて、これは自分たちで採集した音なのか、、、!と心を震わせる。
舞台で流れる効果音、たとえば雨の音や、風の音は、あらかじめどこかで誰かが録った音。
でも、今回の作品では、自分たちが、この大鳥で録った音を使っている。
こんな贅沢なことがあるでしょうか、、、!
大鳥のおじいちゃんおばあちゃんたちの運動会で録音した、みんなの声も大活躍している。
いつも、何気なく私たちのまわりにある沢山の音。
でも、聞き流してしまっている。
当たり前にあるものだと、聞いているようで、聞いていなかった豊かな音たち。
もう一度、聞いてみたい。
きっと、この作品は、そんな音たちの会話でもある。
舞台というものは、そんな
ささいな一音一音に、みんなで耳を傾ける
そんな素敵なことができる時間なのです。
この風と水たちに力をかりて
舞う、一夜。
Thanks for the beautiful photos,
Photo by Ben Matsunaga
Photo by Hideki Kurita
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