「おじいちゃんの手紙」
という文章を、 共同通信社様出版の「実践エンディングノート」内、 「想いを繋ぐ手紙セット」のなかの1つのエピソードとして使っていただきました。 https://www.kyodo.co.jp/books/isbn/978-4-7641-0616-1/
【エピソードの内容】 私の夢を後押ししてくれた祖父からの手紙 東北に住む祖父と、いつからか手紙のやりとりをするようになりました。 仕事をやめる決断をした際、みんなから反対されたため、 いつも応援してくれていた祖父になかなか報告できずにいました。 文通を再開した際の、祖父からの最初の手紙には、 「力の限り、自分の信じる道を歩んでいくとのこと。 そのとおり力強く前をみて進んでください。」との言葉が。 この言葉にどれだけ勇気をもらったことか。 この手紙のおかげで、自分の夢みた道を 歩み始めることができました。 いつも祖父の手紙が、 私のそばにあります。
noteに文章を書くようになって、1年が経つ。
手書きでノートに日々のことや思いの丈を綴ってきたけれど、それをネット上にあげるということに抵抗や怖さもあり、同年代やたくさんの人たちがブログを書いたりしている中、なかなか始められなかった。
HANAICHIを立ち上げると決意した昨年の6月、友人の勧めもあって、noteをひっそりと始めた。
もちろん「今すぐ役立つ〇〇!」とか、役に立つような文章を綴ることなんか出来ないし、フォロワーを増やすような努力も気力も出せない私は、ふと思い立ったときにパソコンをカタカタさせ、自分の心の中にあることを、そっと綴るしかできない。
そして、それが怪しいメールなどではなく、私のnoteの文章を見つけてくださった方たちが、「おじいちゃんの手紙」の内容を読んでくださり、このエピソードをぜひ使わせてほしい、とのメールだったことを知ったのだった。
全国から集められた、様々な手紙にまつわる「送った人と送られた人」のエピソード、作家さんがフィクションで書くのではなく、実際にあったノンフィクションの出来事で探しているという。
まだ私のエピソードが採用になったわけではないのだけれど、候補として挙げさせてもらいたい、とのことだった。
その頃、私は山形に滞在していたので、取材を受けられず、お電話でお話をした。
不思議だった。
私がnoteに綴っている文章を読んでくれるのは、友人たちや、たまたま目に止まって読んでくださった人たち。
でも今、自分の書いた文章が、本当に見ず知らずの人に届き、その会社の人たちに読まれ、その話がどこか私の知らないところでされている。
まったく接点のない、住んでいる場所も、暮らしも、もうすれ違うこともないかもしれない人たちに、ひとつの文章でつながった、という出来事。
それが、とても嬉しかった。
「いいですよ。」とお返事をし、 それから選考の中、私のエピソードは掲載する4つのエピソードのなかに残った。
私の膨大な文章を短くリライトしまとめてくださった人。
どんな形になるか不安だった私に、丁寧に説明し、答えてくださった人。
たった一冊の本の中の、小さな冊子。
それでも、その制作の中に、たくさんの人が関わり、繋がり、つくられていく。
「エンディングノート」というものに、私たちはまだ馴染みはないかもしれないけれど、 自分の生きてきた人生を思い、これから行く先を思い、何を残し、届けていくのか。
そこに、「誰かに手紙を書く」という選択肢があったなら。
「自分の家族や、孫や、お世話になった人に手紙をおくりたい」と思えるように そんな想いを込めて、この「想いを繋ぐ手紙セット」は作られていたのだった。 東北六県で郵便局員として勤務してきた祖父、その祖父との手紙のエピソードを このような形で使っていただけたこと、 とても感謝しています。
この「おじいちゃんの手紙」を書いた時、ちょうどHANAICHIを立ち上げる決意をしたときで、まだまだ祖父に何も報告できず、迷惑かけてばかりの私は、ただただ感謝して進むことしかできなかった。
それでも、祖父からもらった一通の手紙は、他の誰からもらう贈り物より嬉しくて、一人静岡の部屋で涙しながら何度も読み返したのだった。
そんな私の人生が、見ず知らずの人の目に止まり、わずかな時間でも、共有してもらえたこと。 それだけで、届いてよかった、と思う。 読んでくださった方々、ありがとうございました。 そんな中、コロナはあっという間に私たちの所にやってきて、私自身様々な身の回りの変化や暮らしの中で忙殺され、なかなかこのエピソード掲載の報告もできずにいた。
私たちは「非日常」を生きている。
これから先、世の中がどう変わっていくのか、仕事や暮らしや、大切なものが、この目まぐるしいスピードの中、どう変化していくのか見えずにいる。
でも、少なくとも今年、こんな素敵なことがあったということ。
そして、これからも、様々な形で誰かと人生を分かち合えるように、
今は、私にできることを そして、HANAICHIを少しずつ動かしていくことを おじいちゃんとの約束を忘れないように 頑張ろうと思えたのでした。 「実践エンディングノート」を出版されている共同通信社様、そして、この企画に関わってくださっているお世話になった人たちに、心から感謝しています。
広い世界の片隅でただよっていた私の言葉たちを見つけてくださって、どうもありがとうございました。 2020.9.17. HANAICHI主宰 菊地もなみ
Photo by Ben Matsunaga
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